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ティカウィンダ(Tickawinda)の「Rosemary Lane」('78)は英国自主制作トラッド・フォークの中でもレア度とサウンドの素晴らしさで以前から評判のアルバムでした。当然オリジナル盤など現物すらお目にかかったことはないけれど、やはりというべきでしょうか、kissing spellが2001年にCDで再発してくれました。個人的には今まで聴いたUKトラッドものでも10本指に入るほど大好き。
確かに冒頭のアカペラを数秒聴いただけでスティーライ・スパンのフォロアーであることは明確で、元々英国トラッドが苦手という人には何のアピールもしないかしれません。しかし女性ボーカル2人や男性ボーカルの端正で味わいのある声質もバッチリだし、バッキングをほとんどすべてギターとマンドリンでまとめているのも潔くて最高です。トラッド曲に挟まれたアン・ブリッグスやバート・ヤンシュのカヴァーも絶品。
アンサンブルもよく練られているし、ダラダラしないで「さあ次の曲!」みたいに、どんどん展開いく感じが爽快です。これが当時メジャーから発売されなかったのは本当に不運。アマチュア時代のクライヴ・グレッスン(exエニー・トラブル)が準メンバーとしてギターとプロデュースで参加している模様。それにしても雰囲気あるジャケと相反する裏ジャケの4人のメンバー写真のダサさといったら!(これぞフォーク)