このアホなジャケットが、英国フォーク・ファンのみならずサイケ好き、プログレ好きにも「行き着く果てはコレ」といわれるほどの究極のコレクターズ・アイテム、イサカ(Ithaca)の「A Game for All Who Know」('73)です。内容はミスティックかつ幻想的なフォーク・ロック。夢の中で夢を見るような儚いサウンドには、ただただ涙です。好きな人には、たまらない世界なわけで。


中心となるのはソングライターはJohn FerdinandoとPeter Howellなる人物。この2人は英国自主制作フォーク界では最重要人物ともいえる人たちで、バンド名やユニット名を変えて発表した4枚のアルバムは、どれも内容の素晴らしさにもかかわらずレア盤に。Alice Through The Looking Glass、Tomorrow Come Someday、Aggincourt、そしてこのIthaca。さらにイサカはこの後、テスト・プレスのみのセカンドが存在して、それまた極上の内容だとか。う〜聴きたい・・・。


この究極のレア盤5枚を、まとめて紙ジャケCDにしてくれたら、全国で300人ぐらいは驚喜して買うんじゃないかな(無理か)。男女ボーカルの頼りなげな声とソフトかつポップなサウンドは、ムーディー・ブルースのようでもあり、曲によってはソフト・ウォーター・タフィーのよう。これこそ、究極の「ストレンジ・フォーク」。たぶん、わからない人には、一生わからない、ただの素人臭いサウンドなんでしょうけど。