グラハム・グールドマンが10cc加入以前に残したソロ作('68)。ヤードバーズの「フォー・ユア・ラブ」やホリーズの「バス・ストップ」などヒット曲を量産していた若きソングライターによる自作自演作で、いわば英国盤「ジム・ウェッブの愛の世界」。


もっとブリティッシュ・ビート然したサウンドかと思いきや、ハニーバスあたりにも通じる思いっきり英国然としたイナたいフォーク・ロック。ロンドンの曇った空の下で散歩しながら物思いにふけるような彼特有のマイナー・メロディによる独特の哀愁感覚がたまりません。


アレンジ担当はレッド・ツェッペリン前のジョン・ポール・ジョーズ。ということはドラムはジョン・ボーナム?ドノヴァンとかもデビュー前のツェッペリンが演奏してましたよね。プロデューサーはハーマンズ・ハミッツのピーター・ヌーンですが、彼は何もしなかったそうです。というわけでハーマンズではなくドノヴァンやキンクスの隣にでも置きたいアルバム。