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ロバート・ワイアットのファースト('70)。初めて聴いたのは高校生の時。テープスピードを変えているというワイアットならではのユーモラスなオープニング・ナンバーに、当時はレコードの回転数を間違えたかと思ってビックリしましたっけ。
これこそ「フリージャズ」と呼ぶに相応しいけど、攻撃的で冷たい要素はまったくなし。実験的なインプロビゼーション主体ながら、どこか牧歌的でユーモラス。そして何故かボクをノスタルジックな気分にさせてくれるサウンドなのです。
このアルバムに収められた楽曲がもしコーネリアスやヤン富田やボアダムズなんかのCDに紛れ込んででも、おそらく何の違和感はないでしょう。どんな環境でもアメーバのように変形してしまう無邪気な音の戯れは、まるで子供達が演奏するマイルス・デイビスの「ビッチェズ・ブリュー」のよう。