ジュディ・ダイブルは、デビュー前のキング・クリムゾンと初期フェアポート・コンヴェンションに在籍ながらも、成功を収める前に脱退してしまったという、実に「もったいない」女性シンガー。彼女が男性SSW、ジャッキー・マコーリー(ex.Them)と組んでいたのが、このトレイダー・ホーン(Trader Horne)。


唯一のアルバム「モーニング・ウェイ」('71)は、ファンタジックなジャケットとレーベルがDawnということもあって、昔からプログレ周辺では人気でした。ただアレンジはきらびやかなのに曲調はわりと地味なフォーク調。プログレファンにはどうかとも思います。しかしフォーク的視点で聴くと、確かにユニークで風変わりなアルバム。


童話の絵本に書かれたイラストのような「古風だけど妙にカワイイ」という感じでしょうか。オートハープやヴァイオリンの彩りも、どこか霧がかかったようにモヤっとしています。ジュディ脱退後に加入したシンガーはサフロン・サマーフィールド。ただしセカンドアルバムは残せず、すぐに解散してしまいました。