ミレニウムやサジタリアスが初CD化された大昔に、話題に上がりながらも再発されなかったカート・ベッチャー絡みの女性シンガー、Michele(O'malley)のアルバム。('69)。伝説のボールルーム、その紅一点でもあり、ローウェル・ジョージ、エリオット・シャイナーなど、気になる名前もちらほら。


数年前はソフトロック専門誌でも「つまらないフォーク」とか悪評で、それを鵜呑みにして中古盤屋で見かけても見逃していたのに、CD化された本盤を聴いたら、すごくいいじゃないですか。ソフロだと思って聴くから拍子抜けするんで、これは完全にUSサイケ〜アシッド・フォークの流れで聴くべきドリーミー・フォーク・ロックですよ。


ボールルームやサジタリアスでやってた曲が混在してますが、サウンドの統一感はバラバラで、主役の女性の存在も聴き進むごとに曖昧になるのですが、どの演奏の、どの瞬間を取ってみても、今の時代には再現不可能なヴィンテージ感覚に溢れていて結構貴重。何とも不気味な魅力があって、ハマるとクセになりそう。