The Academyという英国のグループによる唯一の作品('69)。フォークというより、もっとジャズっぽい感じで、フルートにギターに女性ボーカルぐらいの小編成なサウンドが特徴です。ジャケットは渋いですが、サウンドの方はどことなくサイケ以後の気だるい感覚をひきずっているようです。


なんか古いテレビドラマのBGMかB級映画で流れているような故障臭さもあるんですが、広い心で聴けば、早すぎたネオアコといえなくもないサウンドかも。演奏が上手すぎないところが逆にいいみたい。チェリー・レッドやラフ・トレードみたいなレーベルから出てもおかしくないような。


このアルバムをもっと聴きやすく洗練させるとエヴリシング・バット・ザ・ガールのファースト「エデン」みたいになるのでしょうか。激動の60年代末期に、ひっそりと咲いて散っていった、なんとも弱々しくも切ないアコースティック・ポップ・ジャズ。