キャサリン・ハウ(Catherine Howe)には何枚かアルバムがありますが、なんといってもこの1st('71)がダントツで素晴らしい。オーケストラをフィーチャーした純然たるポップ作品ではありますが、ほとんどが落ち着いたスロー〜ミディアム系ばかりなのが崇高な佇まいで、どこか幻想的な雰囲気さえ感じさせます。


全曲自作でもあるので、SSW系でもあるのですが、歌い方はフォークっぽい感じよりもむしろ軽めのジャズ・シンガー風。バックの演奏は端正ではありますがピアノのフレーズが結構ジャジーではあります。ボクが一番近いなぁと思うのはダスティ・スプリングフィールド。もっとも、こちらの方がより英国的でフォーキーかもしれません。


長年UKフォーク・ファンの間でずっと語られていて人気だったのかオリジナルは非常に入手困難でした。おそらくこのジャケットの魅力がその要因の一つだったのでしょう。弱冠20歳だった彼女が湖のほとりでたたずむ後姿は、まるでボクたちを「深い森」へと誘ってくれる妖精のようではありませんか。