韓国サイケの大傑作('74)。シン・ジュンヒョン(申重鉉)といえば韓国ロック界のゴッドファーザーともいわれている人。以前から「韓国のサイケはスゴイ」という噂は聴いていましたが、いや、まさかここまでとは。サイケでもヘヴィーでもなく、聴きようによっては無茶苦茶ショボイ音なんですが、このアクの強さたるや・・・


基本となってるのはクリームあたりのブリティッシュ・ブルース・ロック系なんでしょうが、トリオ編成の要となるギターの音がペナペナしたどうしようもない音。なのに大韓民国の血のなせる業でしょうか。今までに聴いたこともないような特異なリフのオンパレードと、唸るような毒気が漂うボーカルの力に、しばし唖然。


急にジャズになったり民謡みたいになったりとリズムにも変化があり、妙なところでタイトに絡み合う演奏もあいまって、世界中のどこにも存在しないようなロックがここにあります。ただのお経みたいな曲とか、頭を抱える場面もしばしですが、これはもしや「韓国サイケ」ならぬ「感覚サイケ」か!?