フレンチ・カナディアン・ドリーミー・アシッド・フォーク・・・という、わかったようなわかったような紹介ですが、そんなRoger Rodierさんのアルバム('72)。しかしドリーミーはともかくアシッドは、変な薬とかやってないミュージシャンからすれば、はた迷惑な表現ですなぁ。カイコツ顔の本人ジャケ写真は、そうとうイッちゃってる感じですが・・・。


アシッド・フォークとカテゴライズされる音楽には、実はいろいろなタイプがあります。たとえば「時代的にサイケに乗り遅れた」というもの。このアルバムは、そういう雰囲気あります。他にも「サイケな音を作るほど予算がない」「普通にフォークやってたのに、時代的にサイケなので無理矢理そうした」「弾き語る本人が単に麻薬中毒者だった」など(笑)、まぁいろいろ。


ニック・ドレイク風ともいわれるRogerさんですが、演奏ともども結構激しく歌い上げる瞬間もあり、内向的というよりは感情の起伏が激しいのがモロに曲調に表われています。しかし時折ハッとさせられるような美しい瞬間もあり。純粋なアメリカンSSWのような泥臭さを感じさせないのはフランス系カナダ人ならでは。