バート・サマー(Bert Sommer)は一時的にレフトバンクのボーカルを担当したということで少しだけ記憶していた名前でした。何でもレスリー・ウェストとは高校の同級生で、名付け親でもあるマウンテンの前身、ヴェイグランツにも曲を提供していたという、若く才能に溢れたソングライター。


1968年に発表されたこのソロ作は、いかにもこの時代らしいフラワーな雰囲気をたっぷりと吸い込んだサンシャイン・ポップ。大袈裟なオーケストラが時代錯誤で好き嫌いが分かれそうですが、逆にこの時代でしたかありえない青く遠く過ぎ去った時代を懐かしむにはいいかも。当然、全曲自作です。


もちろんマウンテンのようにハードではないので、レフト・バンクのような切ない60'sポップが好きな人には満足していただける一枚。このチリチリ頭のルックスはマウンテン向きですけど。ウッドストック・フェスティバルにも参加したらしいけど、たしかに両手にピース・サインが似合いそうな、いかにもこの時代らしい存在ではあります。