おぉ、なんと美しい・・・。普段はブリティッシュ・フォーク好きを公言しているものの、正直アイルランド方面のフォークに限っては深く追求していないわけなんですが、このスカラ・ブレイ('71)の復刻CDは、ちょっとした衝撃でした。とりわけ斬新というわけでもないんですが、ゲール語の響きによる伝統曲と美しいハーモニーだけで名盤入り決定です。


4人のハーモニーは男女混声という利点をよく生かした非常に練られたもの。バックは時に無伴奏、あるいはギターが少々入るくらいのシンプルさ。アイルランドでも同時期に活躍したペンタングルが人気だったそうですが、彼らのちょっとした影響なのか、単なる伝統曲の再現に終わらない独特の若々しい「センス」も。


メンバーの4人は97年に再結成コンサートを行なったそうです。といってもドーナル姉妹と、その兄、そして現在アルタンで活躍中のダビー・スプロールなど、黄金のメンバーによるバンドだっただけに、現役感は充分だったのでは。プランクシティーやクラナド以上にアイルランド音楽の先駆者としての歴史的重要度高し。