その昔、WAVEがレーベルとして80年代ジャーマン・ニューウェイヴを大量にリリースしていたことがありました。ステージで鉄屑をぶち壊すアインシュトテュルツェンデ・ノイバウテン、ピコピコ・テクノのデア・プランやピロレイター。そして元パレス・シャンブルグのホルガー・ヒラー(Holger Hiller)なんかも。


このホルガーの1stソロ('84)には「腐敗のルツボ」という印象的な邦題がつけられていました。たしか、この眼光鋭いポートレイト・ジャケも日本独自のものだったはず。これが当時最先端だった「サンプリング」の技術のみで作られたダダイズム・ポップ作で、個人的にはアート・オブ・ノイズの100倍ぐらい衝撃的なLPでした。


オーケストラから現実音までグチャグチャにMIXして音階を無理矢理作ったオケに、すっとぼけたドイツ語のボーカル。初めて聴いたのは「TRA」というカセット・ブック・シリーズの中でしたっけ。2ndも同様の傑作です。2in1でCD化済なので是非。ちなみに「うる星やつら」のテーマ曲を作った小林泉美の旦那でもあるそうな。