ミルトン・バナナとは、なかなか愛嬌があって素敵なネーミングだと思います。少なくともショック太郎よりはいいですよね。何といってもボサノバの名ドラマーといったらバナナってくらい数多くのアルバムに参加している彼。その正確無比でキレ味最高もドラミングもさることながら、やはり「バナナ」って愛称がキャッチーで人気が出たのかも。


このアルバム('65)は、バナナの初リーダー作。ここでピアノを弾いているWanderleyなる人物は、後にマルコス・ヴァーリの「サマー・サンバ」(このアルバムにも収録)のカバーで世界的に有名になったオルガン奏者、ワルター・ワンダレーというのも驚きです。ワルターのリズミックなピアノはボクも非常に影響をうけました。まぁ、弾けるかどうかは別にして。


後にクラブ・アンセムにもなった「Primitivo」という曲が、とにかくカッコいい。そのスピード感たるや、ボサノヴァとかジャス・サンバとか言ってる場合じゃないほどハードな演奏。曲そのものは「マイルストーンズ」まんまなんですけどね。この曲と「Noa..Noa」がマイベストですが、実は2曲とも若き日のセルジオ・メンデス作品なのでした。