brasil

ボサ・リオはセルジオ・メンデスのグループと共に万博で来日してライブを行ったこともあり日本でも当時ポピュラーなグループだったようです。特にバート・バカラック作の「サン・ホセへの道」の日本盤シングルは今でも中古レコード屋さんでよく見かけます。…

70年代後半のカエターノ・ヴェローゾの作品は、どれも音そのものは軽くトロピカルな感じさえするのに、歌の内容は哲学的だったり難解だったりします。難解といっても、カエターノの歌声そのもので、ちゃんとイメージが伝わるというあたりが、天才の天才た…

結成20周年を記念して制作された彼等の最終作。緻密で練りに練られたアルバムは、単なる和み系ボサノヴァとは違います。徹頭徹尾プログレッシヴ。曲によってはフリー・ジャズや現代音楽スレスレの部分も。それでも最終的には甘美なコーラスとメロウなコー…

ムタンチスが変テコだった最大の要因は、アレンジしているホジェーリオ・ドゥプラの責任ともいえます。カエターノ・ヴェローゾの初期のアルバムにあった賑々しさもドゥプラのアレンジがあればこそ。彼こそ、歴史的名盤「トロピカリア」のジャケで、眼鏡をか…

カルロス・カラードの著書「トロピカリア」を読んで一番面白かったのは、ムタンチスの連中の無邪気さでした。60年代後半の革命の季節。カエターノ・ヴェローゾの過激なアジテーションで客がみんな怒り、トマトをステージに投げつけたりしていた暴動の最中…

アジムスといえば、「クロスオーバー・イレブン」のテーマ曲や、ヒット曲「Jazz Carnival」ですよね。ところが、なんとこの80年代マイルストーン時代をコンパイルしたこのCDには、その有名な2曲とも入ってないのです。「あちゃー」と最初は思いました。…

ジャケットがいい。異国の地、ロンドンでハトの群れと戯れて大はしゃぎするエリス・レジーナと、遠くの方で「何やってんだろ〜ね」的な冷ややかな視線を投げている親子連れのロンドン市民。ピーター・ナイトがアレンジした入魂のオケにあわせて、たった2日…

ミルトン・バナナとは、なかなか愛嬌があって素敵なネーミングだと思います。少なくともショック太郎よりはいいですよね。何といってもボサノバの名ドラマーといったらバナナってくらい数多くのアルバムに参加している彼。その正確無比でキレ味最高もドラミ…

ミルトン・ナシメントの名前を知ったのは、中学生の頃聴いたムーンライダーズが「トラベシア」を日本語でカバーしていたから。その後、ナシメントの1st(写真)('67)はジャケ違いの再発LPで愛聴しました。この再発CDもオリジナルとはジャケ違いですが、擦り…

日本でサンバと名がつく曲だと「てんとう虫のサンバ」だの「マツケンサンバ」だの、変に明るいメロディーの華やかなものが多いんですが、現地のブラジルでのサンバの曲というは、マイナーなメロディーの暗いものも多い。そんな哀愁のメロディーを賑やかな打…

「ある日、自分の国を離れなければならなかった」そんな歌いだしから始まるこの盤は、「カエターノ・ヴェローゾ」とシンプルにセルフ・タイトルが付けられた彼の3枚目(1971年)のアルバム。日本でCD化されたときに「イン・ロンドン」という邦題がつ…

アストラッド・ジルベルトを「歌がヘタだ」とかいってバカにする人も多いんですけど、ボクは大好きなんですね。初めてボサノヴァの魅力を教えてくれた女性アーティストでもありますし、何より歌、というか声が大好きなんです。「親しみやすい隣のお姉さん」…

たとえば「イパネマの娘」のようなボサノヴァを聴いていると、たいてい夏の日差しを浴びて海辺で遊んでいるような、そういうバカンス的な情景が浮かぶんものですよね。でも、このカエターノ・ヴェローゾ&ガル・コスタの「ドミンゴ」('67)は、一応ボサノヴァ…

ジョアン・ジルベルトを聴いてます。普段から頻繁に聴くわけじゃないんだけど、時々無性に聴きたくなるんですよね。今週は残業続きで、ものすごく疲れてしまったんで、まったくやる気ナシの生活を送ってましたが、ジョアンの音楽は、そういう「ヤル気ナシ」…