この「アンディ・アーヴァイン&ポール・ブレイディ」('76)は、本作を手がけた名プロデューサー、ドーナル・ラニーが「最高の作品」と自画自賛し、さらに主役の男2人も「大好きな作品」と太鼓判を押す、アイルランド音楽の本当の名盤。アンディの歯切れのいいブズーキとブレイディの味わい深い歌唱。何度聴いても飽きることがない名盤。


アイリッシュ・トラッド」とかいわれても、何のこっちゃという人も多いかと思います。ましてこんなジミジミなジャケですし。でもアイルランドフォークの入り口として、これ以上のものはありません。シンプルで凛として気高い。それでいてなごめるし哀愁もたっぷり。地味なアルバムという第一印象でしたが、今では一生の宝もの。


今でもアイルランドのバーとかでは、無名の弾き語りの名手が普通に日常的に演奏とかしてたりするんでしょうかね。だったらちょっと悔しい。日本のライブハウスで、知らない誰かがこんな演奏をしている現場というものに遭遇したことは一度もありませんよ。まぁ、当たり前ですけど。アイルランドは遠い国だなぁ。