「東京クラブ・シーンにインスパイヤーする、噂のシャンペン・ミュージック」というワケがわかんないオビの文句がバブリーで笑える阿川泰子の非ジャズ作品('89)。阿川meetsハウス・ミュージック&ラヴァーズ・ロック!ってな感じで、若い層を狙ったのはわかるんですが、どうもこれクラブ系にしてはノリが変では?


・・・というのも、これ、全曲をヤン富田がアレンジとミックスをしてるんですよねぇ。精一杯「お仕事」としてギリギリオシャレに踏みとどまっているものの、やはり彼の「やり過ぎエレクトロ感」な悪いクセが、見事に泰子お姉さまを路頭に迷わせているようで、ヤン富田ファンとしては、それが何より嬉しいというか(笑)


曲はAOR系やモータウン系も含む、王道カバーばかりなんですけどねぇ。クラフトワークのサンプリングとか、もうモロだったりして笑えますよ。後のヤン富田のソロ作でダブみたいにグチャグチャに解体された「原曲」らしきものもチラホラ。企画としては失敗でも、モンドとしての資料的価値はアリみたい。