少々音響的アプローチが、なんとなくロス・ロボスの傑作「コロッサル・ヘッド」('96)を思わせるライ・クーダー、2005年度作品。でもって、これがとんでもない大傑作なんですよ。今更取り上げるのもなんですが、今更買ったんでしょうがないでしょ。正直ライの絶頂期は、実は「今」なんじゃないでしょうか。


手持ちが輸入盤なんで、詳しいコンセプトはよくわかんないけど、「ドジャーズ球場設立のために消滅していったチカーノ・コミュニティ」をテーマにしたものらしい。ジャケットの野球帽被ったガイコツがタバコをくわえながらブルドーザーで街を破壊しているというイラストがワイルド。メキシコつながりでロス・ロボスを連想したんですね。


1曲目の「poor man's shangri-la」を聴いた瞬間に、もう鳥肌(チキンスキン)もの。この揺れるビートとハーモニー。たまらんですわ。で、これドラムがジム・ケルトナーなんですね。ライといったらケルトナーってくらいに名コンビですよね。アルバム後半は、どんどん渋く、暗く、悲しい感じに。が、それもまた良し。