Devendra Banhartの傑作('05)。といいつつ、傑作というのも何だか違うようなヨレヨレ、ヘロヘロのストレンジなフォーク・アルバム。ドノヴァン?ニック・ドレイク?と、なぜか米選手なのに英国勢ばかり連想します。ティラノザウルス・レックス時代のマーク・ボランにソックリなボーカルも。


なにしろ、あのヴァシュティ・バニヤンの復活劇を担った人だけに、ヨレヨレといいつつ根っこは深いというか。とっ散らかりぶりがビートルズの「ホワイト・アルバム」さえ彷彿とさせます。CD入れてトータルタイム74分と表示され、1曲目のヨレヨレ・フォークが始まったときは、さそがにどうなるかと思いましたが。


曲が進むごとに、あまりの音楽性の引き出しの多さに驚かされてしまいますが、特に時折登場するラテンな香りは何なのでしょうかね。これで更なる混沌。演奏が全然こなれてないのも、逆にいいんですな。この「放り投げ感」がホワイト・アルバム的風情ってヤツですね。ジャケットのカルトな雰囲気もすごいなぁ。