マジカル・パワー・マコの存在を知ったのは、アングラな雰囲気がプンプンただよっていた頃のマーキー・ムーンというプログレ雑誌のオマケのソノシートでした。そこに収められた奇妙な音楽と、10代半ばにしてマイク・オールドフィールドばりに寺にこもって多重録音していたというプロフィールに、とても惹かれるものがありましたね。


その後手に入れた「マジカル・パワー」('74)の破天荒なサウンドと「スーパー・レコード」('75)のピンク・フロイドばりに神秘(←フロイドだけに)なサウンドは想像以上に素晴らしいものでした。でもボクはこの人の存在は、天才というより音楽界における「美しい事故」のようだと思いますね。本当の意味で「感性のおもむくまま」というピュアな音楽です。


3作目の「ジャンプ」('77)は、世評では「普通にロックでイマイチ」みたいな感じだったのですが、これのどこが普通?(笑)ノイ!やCANのようなジャーマン・ロックを彷彿とさせながら、後のニューウェイブ勢すら越え、ボアダムズの登場を感じさせる何かも。デタラメ英語も笑えますし。個人的には大傑作だと思います。