先日、小池玉緒の「鏡の中の十月」というシングル盤を日記で紹介しましたが、写真家、伊島薫と結婚し改名後に発表した6曲入りCDがこれです。プロデュースはメロンの中西俊夫ナチュラルカラミティー。帯には副題で「夕暮れから夜明けまで」とありますが、音の方も、まさにそんな感じではあります。


英語詞のウィスパーボーカル。ミディアム・テンポで統一されたシンプルなサウンドと、実に手堅くまとめていますが、曲も歌唱も、あくまで「雰囲気」の域を出るものではありません。ポップスである以上に「なごみもの」であることにこだわりすぎたのかも。ただ、そういう欠点も今だから指摘できること。


1992年に東京で大学生活していたそれなりの「都会人」だったボクにとっては、ある種の生活のサウンドトラックとして機能していました。バブル余波。浮かれて遊んでいた頃。クラブ帰り、夜明け電車のCDウォークマンで「Drift Away」を聴いたあの情緒。そんな気分を呼び起こさせるアルバム。