時代は80年代半ば。「TRA」というカセット・ブックのシリーズがあったんですが、そこで初めて耳にして気に入ったアーティストがデア・プランでした。当時、ニュー・ウェイヴが一段落して、割と商業的な洋楽ポップスが日本でも流行り始めた頃でしたが、気持ち的には、もっと変なモノを求めていた頃。


何しろ、このドイツのバンドときたら、当時の感覚でさえ「ここまでチープなテクノ・ポップは聴いたことがない」というくらいヘボヘボなサウンドで、いや、だからこそ、クラフトワークを生んだドイツの伝統芸能としてのテクノ魂を感じたものです。童謡みたいなメロディは、妙な哀愁もありましたし。


この2枚組シングルも当時買った輸入盤ですが、アンダーヘアーが見えるジャケットのおかげで、検閲が入って紙やすりで削られていた・・・とは後から知った事実。ヘア解禁前の懐かしい話ですね。まぁ、これに限らず、彼らのジャケのアートワークは、サウンド同様どれも素晴らしい。