ジャケットからレーベルまで真っ黒けなジャーマン・ロックの伝説的バンドのセカンド。20年以上聴いてますが、いまだに飽きのこない恐るべき傑作。非常階段の「VIVA ANGEL」とジャケを並べてみましょう(「TAPES」ってのもあるな)。さらに黒づくしを再現した紙ジャケCDを手にしたら、なんだか灰野敬二のCDみたいにみえるし。


でも「黒」イメージだけでファウストを「なんだか難解で怖そうな音」と思ったら大間違い。少なくともこのセカンドは、メチャメチャ、ポップだと思うんですけどねぇ。しかもユーモラスでロマンチック。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを極端にしたようなミニマルな1曲目から最後まで、その曲怒涛の展開に、もうグイグイ引きこまれます。


1曲ごとイメージイラストが数枚分封入されているオマケもいいです。紙ジャケCDでもありましたが、やはりアナログ盤サイズで見る醍醐味は格別。だからLPも手放せません。ところでコーネリアスの「SUNSUOUS」ってアルバムが、この頃のファウストに構成とか質感とか方法論とか、驚くほど似てると思うんですけど、どう!?