ジョルジオ・モロダーの、この1stアルバムに細野晴臣が影響されて(もちろん、それだけじゃないけど)YMOの1stのB面がメドレー形式になったという話があります。それにしても、これが1977年のアルバムだとは信じがたい。それほどダンス系テクノポップサウンドとしては、出発点にして、すでに完成形になってしまってます。


クラフトワークより実用性と応用力があったのは、もともとジョルジオが単純なお子様向けポップス界の裏方として既に職人だったため、よりシンプルにわかりやすくディスコ・サウンドで統一したという戦略によるものでしょう。ディスコが基本的に「4で割り切れる」という偶数リズムだったことが、見事「ピコピコ」パターンと幸運な出会いを生んだわけです。


その後、80年代にジョルジオが売れっ子プロデューサーになったのも、みんな「このサウンドが欲しかった」ということなんでしょう。が、今の耳で聴いても、この70年代のアルバムの方がブッとい音がします。ドラムのキックとシンセ・ベースもしっかりボトムがあり、それこそCapsuleやJusticeあたりと並べて聴いても、なんら違和感ない驚異的なクオリティ!