テクノ・ポップという音楽の持っているイメージを「ピコピコ」という表現で定着させた日本人の感性は素晴らしいものがあると思います。実際にはテクノ・ポップはピコピコという音だけで構成されているわけではないんですが、じゃぁピコピコだけでテクノ・ポップやっちゃうと・・・。


やっぱりこのYMCKのような8bitのファミコン音楽になっちゃうわけなんですね。その昔、ヴィレッジ・ヴァンガードの店内BGMで、このバンドを聴いた時「こんなもんに面白がってちゃ、日本も終わったな」などと冷たく素通りしたもんですが、忘れた頃に、この新作を聴いたら、えらい完成度の高さに驚き。スミマセン。反省。


可愛らしい歌声やオシャレなコード進行など、まるで「ファミコンPerfume」というか。少ない音素材で、凝ったアレンジを施すという意味では、ゲルニカなんかも思い出したりするというYMO世代にも微笑ましいサウンド。何しろ全編ピコピコなのに、ネタ切れしそうで意外にネタが切れないのは、音楽的バックボーンがちゃんとしている証拠でしょう。