キリンジが配信のみでシングルリリースとかやっていたころ、まるで親しかった友人が自分の知らないクラブ活動で勝手に盛り上がってしまっているような、そんな一抹の寂しさを感じたものです。で、その配信シングル集をCD化したようなものが、この10周年記念7枚目。待ってました。やっぱCDじゃなくちゃ。


前作より軽いとか、毒がなくなったとか、批判もあるようですが、やっぱりどうしようもなくキリンジでした。弟の歌声に漂う軽さと余裕には、これまでになかった大人の色気も。今までアルバムに1〜2曲あった兄が歌う世捨て人のような曲が今回ないのは、ちょっと残念ではありますが。


前半の「家路」から「君のことだよ」あたりまでは、これでもかというくらいキャッチーな名曲ぞろい。後半の弟の数曲に幾分メロディーの弱さは感じるものの、やはりここまで良質の楽曲を作り出せるバンドは他になかなかいません。相変わらずライブはイマイチなんですけどね。それだけスタジオ盤のクオリティが高いという証拠なのでしょうか。