いわゆるパンクの名盤としてよく取り上げられるアルバムではありますが、ごくごくまっとうなロック・アルバムです。クリス・トーマスがプロデュースしているためか、確かにパンク熱に浮かれた勢いはありますが、オルガンとかもハモンドだったりして、普通にハードロックっぽい感じも。


ゲイであることを公言し「すべてのマイノリティに自由を!」という彼の熱い思いはラストのタイトル曲のよく現れていますが、それ以上に、たとえばシャッフル・ビートの軽妙な曲に、前身バンド、カフェ・ソサエティ時代のパブロックな雰囲気が感じられるのが、今となっては興味深い。


キンクスのレイ・デイヴィスにも認められたトム・ロビンソンのソングライティングが抜群で、ブルース・スプリングスティーンの「明日なき暴走」にも通じるオーソドックスで普遍的なロックの魅力を感じます。シングル曲「2−4−6−8モーターウウェイ」で始まる手持ちの東芝EMIの日本盤LP。解説は森脇美貴夫でした(熱いね)