このジャケットを観るたびに思い出すのがボクが中学生だったころの地元の輸入レコード屋。80年代中頃は、ヒットしていたカラフルな洋楽が歌謡曲と同じくらい世間に認知されていたんですが、どこかそれに馴染むことができなかったボクは、輸入レコード店が放つ、怪しげな海外インディーズ盤LPに目を光らせていました。


ネオアコなんて言葉はしならかったけど、このエブリシング・バッド・ザ・ガール(EBTG)のこのジャケは、どんなノイズ系アーティストよりジャケよりも衝撃でした。廃校のような空き地で遊ぶ二人の子どもの白黒写真。そして無機質なタイプで「お金じゃなくて愛」なんて、素敵過ぎやしませんか。


世間的にはEBTGの中で一番話題性に乏しい地味なアルバムなんでしょうが、ボクにとっては初めて聴いた彼らのアルバム。どこかエルヴィス・コステロと共通するサウンドで、彼らのアルバムでは一番素直な(いわゆる)ネオアコなのかも。曇り空しか思い浮かばない翳りのあるトレイシー・ソーンの歌声がやっぱりいい。