まさかとは思うけど、「Downtown Boy」は佐野元春の同曲のアンサーソングなんでしょうか。どちらもA面3曲目だし。元春は小学校の頃のボクのアイドルでしたが、ユーミンは「ユーミン・ブランド」を持っていた程度。この頃のユーミンは本当に「ブランド化」していて、ジャケのマークからして、ほとんど一つの企業といった感じ。


80年代前半までのユーミンの歌詞は、わかりやすくOL向けに産業化する一方、「ここだけは譲らない」という本人の個人的なヴィジョンも明確にあります。「私をスキーに連れてって」で有名な「Blizzard」でさえ、どこか神秘主義的な要素も垣間見れますし。自分のことを「繁栄の象徴」といった冷静さがなせる業でしょうか。


自ら産業化して時代をリードする一方、「宝島だった秘密の空地 今ではビルが建ってしまった」なんて一行に、どんどんバブルに向かって気持ちに余裕がなくなっていく日本の都市社会への警告も既に鳴らしています。この頃、荒井由実時代のピュアネスを一番懐かしんでいたのは、松任谷由実本人そのものだったのかも。