このアルバム、発売当時、自分も音楽をクリエイトしている身として、すごく影響を受けました。さすがに打ち込みを多用した音楽なんで、多少の音色の古臭さは感じますけど、久保田真琴ディック・リーという才能による内に秘めたポップ性と雑種性は、今聴いても新鮮。


ワールド・ミュージックの要素をただ「取り入れる」だけで終わるんじゃなくて、そこから「日本から世界へ発信する」ような前向きさ。「さくら」だの「スキヤキ」だの「りんご追分」だの、いちいちベタな日本の曲のカヴァーが、西洋から見た日本の大いなる誤解を逆に自ら楽しんじゃっているようで。


この後のサンディーのアルバムも含めて、細野晴臣のトロピカル3部作の90年代的展開って感じがするんですよ。細野さんが参加した曲「Water 4 A Barren Heart」も、アンビエント風味で、実に美しいです。目まぐるしく変化するダンスビートを軽やかに舞うようなサンディーの歌の艶やかさに、いつ聴いてもクラクラ。