JOJO広重が惜しみない愛情を注ぎ込み、アルケミー最大のヒットともいわれたのが、赤痢でした。赤痢は本当に大好きでした。放送禁止用語飛び出すキワドイ歌詞ばかりが注目される傾向になるんですが、本人たちの狙った感じが全然しません。それこそ「思うがまま」に豪快に曲作りや演奏をしているのが頼もしいです。


そりゃ、チャットモンチーとかに比べたら、演奏なんてボロボロなんですが、生まれたての曲が未完成なまま丸裸で投げ出されるような新鮮さは唯一無比。もともとバンドを組んでから楽器を始めたとか、本当に学校も行かない不良だったとか、そういう話題性も、作りごとじゃないリアルな感触がありました。


本来なら殺伐としてしまうパンクを、こんなにも可愛らしくユーモアも忘れず無邪気に活動できた女性バンドは、他に知りません。少年ナイフより内に秘めたものがドロドロしいるようで、とにかく衝撃度が桁外れ。歌ってる途中で間違えて「あぁ〜」とか言って中断してしまうボーカルまで、そのまんま収録する生々しいセンスも好き。