D-DAYは、80年代の汚らしいライブハウスに出てくるインディーズバンドのなかでは珍しく、かわいらしい女性の声質を生かした爽やかなポップスをやっていたバンドで、故にパンクスからは野次られたりもしていたそうです。これはシングルやアルバムの曲を網羅したベスト盤CD。箱に入っているので「箱入り娘」って感じで。


ボーカルの川喜多美子は、ボクにとっては飯島真理と並ぶ当時のアイドル的存在でした。別に特別可愛いとか、そういう意味だけじゃなくて、あの時代の日本のインディーズの危険で埃っぽい雰囲気にそぐわない「場違い」感に胸がときめいたのです。男臭い西部劇の映画に出てくる、唯一の可憐な女性のように。


驚くほど拙い演奏と荒いミキシング。当時はネオアコなんて言葉も知らなかったはず。しかし、そのプロっぽい世界に毒されてない彼等の音楽には、まるで「自分だけに存在しているバンド」のように錯覚するようなプライベートな響きがありました。D-DAYは最近、また復活して密かにライブ活動やCDなど発売しているようです。