詞や曲そのものの魅力は以前と同様ながら、歌声はますます力強さをまして、サウンドも質感がザラっとしていて、何だかとてもロックしている感じ。野心的な3rdアルバムで今後の展開がますます期待されていただけに、この後の活動休止が、ますます信じられない思い。これは聴けば聴くほど傑作ではないですか。


ちょっと音響派な匂いも忍ばせたバラード「幸福」からいきなり始まるのは、それまでのクリーンなAORサウンドを期待していただけに少々の違和感があったものですが、ちょっとサイケ風アレンジにキャロル・キングのような王道のサビのメロが素敵な2曲目の「face」で、早くもノックアウト。


シングルになったミディアム16ビートの3曲目「待ちわびた休日」あたりが、一番この人らしい直球のサウンドで落ち着きます。同様にシングルの「少し届かない秘密」の3連バラードもドラマチックでいい。全体の質感として坂本真綾の「DIVE」に通じる雰囲気だと思うのですが。とにかく少しでも多くの人に聴いてもらいたいもの。