クラナドは有名といえば有名すぎるアイルランドを代表するバンドですが、ちゃんと聴き始めたのは最近のこと。出回ってるのは80年代以降のアルバムながら、やはり70年代の素朴な音の方に個人的には惹かれます。この3rdは、たしかに地味といえば地味なんだけど、今のところ一番好きかも。


彼等はメンバー全員が血縁関係のある家族的な絆のあるバンド。オープニングの力強い男性コーラスが、「女性ボーカル」という印象が強そうなこのバンドのイメージを軽く裏切ってくれます。このオープニング曲でアカペラというインパクトは、スティーライ・スパンと同じですね。


ロック色はあまりなく、ジャケット同様、寒々しい景色が浮かぶような音。寒空の下でコートを着て、何かをジッと耐えてるような、そんな厳粛なイメージを勝手に想像してしまいます。それにしてもファルセットコーラスの4曲目のイントロの美しさといったら!そんなハッとさせられるようなサウンドが随所に散りばめられたアルバム。