波の音で始まり終わる、全編「クロスオーバー・イレブン」みたいな雰囲気のAORサウンドが心地いい女性シンガー・ソンングライターのアルバム。過ぎていく夏を惜しむ「September Tokyo Tower」なんて曲もあり、今の季節にはピッタリかも。


まぁ同じような落ち着いた曲ばかりが続く地味なサウンドではありますが、澄んだ歌声が素直でキュートな感じなので、ついつい耳を奪われてしまいます。特に「SO IN LOVE」は名曲。今井美樹原田知世なんかにも曲を書いていた人ですが、作者本人の歌声で聴く方がいいです。


中盤、ちょっとアップテンポの曲を含みつつ、またしっとりしたテンポに戻っていくアルバムの構成もいいです。アレンジは古臭さはないのですが、90年代ならではの懐かしさを感じる部分も多いです。ボクと同世代の人たちには、さらにセンチメンタルな気分を感じさせる名盤ではないでしょうか。