ジョニ・ミッチェルやジュディ・コリンズに影響されたと思われる英国の幻のSSW,シェラ・マクドナルドの1stですが、やはりこれは女性版ニック・ドレイクというのがピッタリでしょう。ドレイク作品でおなじみのロバート・カービーによるストリングス・アレンジが冴える曲なんて、まさにそう。息を呑むほどの美しさ。


2nd「Stargazer」('71)も名盤ですが、こっちの盤も素晴らしい。いきなりアーシーな演奏で幕を開けますが、とにかくバックのミュージシャンの演奏が抜群なのです。アンディ・ロバーツやキース・クリスマスのギター・サポートはもちろん、鍵盤のキース・ティペットも、いいアクセントになってます。


シェラ自身のギターの腕前も達者なので、弾き語りだけでも充分に人を惹きつける魅力があります。とにかく控えめなのに曲調は多彩。なのにアルバム全11曲、1本スジが通った強い意思を感じます。裏ジャケでネコと目を合わせて座ってる彼女の写真も、何か素敵ですねぇ。CDじゃなく、オリジナル盤LPで眺めたいなぁ。