オルタナ・カントリーというジャンル名はともかく、割と、そういう風にカテゴライズされるようなバンド(ウィルコとか)は好きだったりします。いわゆるパンク的初期衝動を通過して、カントリー的な「歌心」に落ち着いたアーティストというのは、普通っぽい佇まいの中にも、すごく内に秘めた激しさが伝わってくるからです。


このウィスキータウンというバンドは、音も存在も地味過ぎるのか、ほとんど話題になりませんでしたが、ボクは本当に大好き。とにかくネコも杓子もグランジな90年代において、ここまで歌心に溢れたバンドはなかなかいませんよ。とにかくメロディも歌いっぷりも演奏も、どれもいい。1曲目のスロー・バラードから正直泣けます。


これが「カントリー・ロックか?」と問われるとちょっと疑問ではありますし、やっぱりグランジ的な曲も多いんですが、カテゴライズなど、この際、どうでもいいです。デイディッド・ライアン・アダムスの歌いっぷりは南部的なフィーリングすら感じさせてくれ、正直、グラム・パーソンズ級の才能を感じるほど。