新宿に集結した「フリー・ジャズ大祭」をダイジェストに音盤に収めたもの。ピックアップされた8アーティストは、それぞれ10分前後にまとめられてます。一口にフリージャズといっても、アンビエント風、現代音楽風、アングラ演劇風、ノイズ風と、表現方法はさまざま。フリー・ジャズがもっとも輝いていた時期の貴重な記録。


山下洋輔トリオは全盛期だけに、代表曲「クレイ」を清々しいほど暴力的(って表現も変だけど)に決めてくれます。ニュー・ハード・オーケストラはマイク・ウェストブロックのような英ジャズ・ロックを彷彿とさせながらも、やはりどこか日本的。沖至クインテットは、ディレイをかけたトランペットがフリーでありながらもアシッド。


片山広明などが在籍していたナウ・ミュージック・アンサンブルは、冒頭の詩の朗読と人を食ったアンサンブルが70年代的アングラ感満載で、渋さ知らずにも通じるもの。高柳昌行のニュー・ディレクション・フォー・ジ・アーツは完全なるノイズで、まるで非常階段。どのアーティストもまともな4ビートがひとつもない。ほとんどパンク。