80年代ジャズなんて、最初から無視だと決め付けている方へ、是非聴いていただきたい大傑作。どうも日本では同じ兄弟のウィントン・マルサリス(Tp)の方が人気があるみたいですが、なんといってもブランフォード・マルサリス(Sax)がボクは大好き。これは彼の1st。本人「増殖」のジャケも最高。


オープニングからピアノレスで軽快にブロウするサックス。タイトル目は、なんとラジオ・ドラマ風にジャズの歴史を立体的かつ断片的に繋ぎ合わせたようなコラージュ作品。死ぬほどカッコいい3曲目など、コルトレーン・マナー溢れる豪快なジャズで、個人的にはビリー・ハーパーと並ぶ天才かも、と。


そういえばスティングがソロになったとき、横でサポートしていたのも彼でした。その頃のヴィデオを観ると、落ち着いた表情で淡々と吹いていたかと思えば、突然ヤンチャ坊主のようにはしゃいだりと、人間的にも実にユーモラスな印象でした。今聴いても全然色褪せない80年代傑作ジャズ・アルバムのひとつ。