ゴングはフランス経由のイギリスのバンド。リーダーのデヴィッド・アレンはソフト・マシーン黎明期のメンバーでしたが、デビュー前に脱退し、フランスでゴングを結成しました。ゴングの特徴であったサイケデリックで摩訶不思議な物語性とメンバーのジャジーなテクニックが渾然一体となった代表作がこれ。


「ラジオ・ノーム・インヴィジブル」という3部作の3枚目ですが、単体聴きもOKです。単純に、これほどユーモラスでスリリングなロックアルバムが他にあるでしょうか。いきなりおちゃらけたジングルみたいな短い曲で始まるんですが、その後、どんどんトリップしてしまうようなスペイシーな音に導かれ・・・


早くも4曲目の「Master Builder」で、盛り上がりのピークに。もはやフレーズを弾かず、効果音に徹したギターとキーボードがサイケデリックな効果を盛り上げていきます。90年代以降のテクノやジャム・バンド的な要素までも予知してるどころか、それらも超えるこのオリジナリティは驚愕。聴かずに死ねるか、の大傑作。