Mのロビン・スコットといえば、「ポップ・ミュージック」というヒット曲や、坂本龍一と共演したことでも有名でしょう。で、ディスコっぽい1stや、完成度高いテクノ・ポップを聴かせる3rdあたりに比べると、話題性と乏しいこの2ndアルバムですが、どういうわけかボクはこれが一番好きです。


とにかく、曲によってコロコロと表情を変え、やりたい放題な感じが、実にNew Waveならではフットワークの軽さといいますか。たとえばエスニックな要素ひとつとっても、教授のように考えすぎることなく、面白いからやっちゃえ、という「いい加減さ」のおかげで、ロック的なダイナミズムを感じさせるのです。


いかにもNew Waveなボーカルも最高な「Join The Party」や、企業CMのBGMみたいな「Working For The Corporation」。テクノ・ポップど真中の「Relax」や謎のインド歌謡「Abracadabra」まで、とにかく多彩。この時代のNew Waveの自由な空気を最高に感じさせる傑作だと思います。