個人的にレア・グルーヴ系にハマっていた90年代初頭に出会ったアルバム群の中でも、特に思い入れがある1枚。ロイ・エアーズのバンド・ギタリスト、ジェームス・メイソンの(おそらく)唯一のソロ・アルバム。ギターはそれほどフィーチャーされておらず、むしろ心地好い女性ボーカル曲が多いです。


何といっても1曲目の「Sweet Power Your Embrance」が最高!。渇いた16ビートのドラムに、ミニムーグのベース。ロニー・リストン・スミスにも通じるスペイシーなジャズ・ファンクといいますか。その他、フリーソウル系のメロウな歌モノの楽曲も含め、とにかく全曲、曲そのもののクオリティが抜群。


「特にこれといってアレンジ決めてません!」ってな雑な部分にこそ、逆にバンドならではのグルーヴ・マジックがあり、このあたりがレア・グルーヴならでは。全体的な音色の渇いた質感が重要なのです。ほとんど同じメンバーで作られたTARIKA BLUEなるバンドのアルバムも含め、今さらながら再・再評価を。