デイヴ・メイソンというと、1st「アローン・トゥゲザー」('70)ばかりがロック史における重要作で、その後のアルバムは、どうも人気がなく、地味な印象をあたえてしまっているように思えます。というより、ボクら世代のリスナーには、トラフィックに比べると、殆んどまともに聴かれてないんじゃないか、という気も。


でも70年代ロックをリアルタイムで追っていた音楽リスナーだったら、メイソンもっと知名度がある人なのかも。彼のソロアルバムは当時から日本盤が出ていたようですし、日本盤の中古LPだったら今でもホイホイと安価で売られています。それなりに売れていたし、人気もあったわけですね。


このアルバムは、スワンプ・ロック的な渋みからも、さらに超えて、よりファンキーに軽い感じになっていますが、歌声から溢れる枯れた味わいと、憂いのあるメロディー、そして何より泣きのギターは、ますます冴え渡っています。つまらない曲は1曲もないし、聴けば聴くほど名曲ばかりの最高のアルバムです、本当に。