ウィスパー・ボイスの達人。さらに作詞、作曲、アレンジまで手がける才人。このbice(ビーチェ)という人、実はずっと気になる存在の人でした。その昔、インディーズから発売されたデビューミニアルバム「Spotty Syrup」('98)に収録されたビージーズのカヴァー「How deep is your love」が大好きだったんです。


知る人ぞ知るという存在だった彼女にスポットを当てたのが、元ピチカート・ファイヴ小西康陽。「才能の底知れぬ大きさに戦慄を覚え」とコメントしてます。実は最近、彼女がbice以前にB級アイドルシンガーの中島優子だったということも知りました。人に歴史アリですね。


捨て曲など1曲もなく、どの曲もサビのあたりで美メロが炸裂しているのが素敵すぎます。コードやメロディに、やはり彼女自身が好きらしいプリファブ・スプラウトに通じるものが。特に「スプラッシュ」や「太陽が生まれ変わる頃」あたりから、ラスト3曲にかけての流れ、その切ない曲調には胸が一杯になるばかり。