ファンは第一期と呼ぶ、この頃のスパンクハッピーに、なぜか80's邦楽の残り香を感じ取ってしまうのは、原みどりの少年のように元気っ子なボーカルの醸し出す雰囲気からでしょうか。チャクラやタンゴ・ヨーロッパ、MARIKO with CUTE(誰も知らないか)なんかの横に置きたいアルバム・・・なんてね。


でもGラブみたいなラップ曲「スパンクスのテーマ」みたいに、やはりどうしようもなく90年代的やるせなさも。ティポグラフィカ(めちゃ好きでした)のメンバーも参加したハイパーテクなワザを、あえてナンセンスな歌詞と素っ頓狂なアレンジでお茶を濁すという、考えようによっては贅沢すぎるサウンドは、もはや伝説の域に。


シングルになったポップな「空飛ぶ花嫁」から、妙に切ないメロディの「私の場合」、オーケストラ風味の懲りまくったアレンジの「ラブクランクイン」と続く中間部がハイライトかな。「80年代」という曲で歌われる「どうして10年前ってダメなの?」というフレーズから、さらに10年以上の月日が経って、なんか感慨深いものが。