クリスチャン・ヴァンデが、ジョン・コルトレーンの死によって導かれるように結成したといわれる怪物バンド、マグマのデビュー作にして、いきなり2枚組。一応ジャズ・ロックということになってますが、後にザオ(ZAO)を結成するブラス隊をフィーチャーした、複雑怪奇なアンサンブルは必聴。1970年にして、このオリジナリティは無敵。


後の大作志向になってからのミニマルな快感原則は、ここにはない、ということで未完成とも言われることも多い作品ですが、いや、これは大傑作です。オープニングの「KOBAIA」は、文字通り彼らのトレードマークとなるコバイア語をフィーチャーした大盛り上がりの名曲。もう、ただただカッコイイ。これぞロック。


変拍子と奇怪なフレーズを組み合わせて作る曲は、どれも「変」。それでいて、妙に踊れる感じもあるし神秘的な雰囲気も。カルトなコスチュームも含めて、フランスのプログレ界のスライ&ザ・ファミリー・ストーンか!?それにしても中ジャケのメンバーの変なイラストは最高。このポスターが欲しいっす。