何を今さらシャーデーかよ、と思われるかもしれませんが、この2ndアルバムは、地味ながら本当に名曲ぞろい。ハスキーな歌声はもちろんのこと、サックスやピアノなど本当にゾクゾクするほど美しい音色なのです。85年というと、ネコも杓子もデジタルな時代に、この落ち着いたサウンドは、本当にミラクル。


いきなりオープニングの「Is It Crime」から盛り上がるバラードで、ピアノからサックスのソロに変わる瞬間まで完璧。「The Sweetest Taboo」もシャーデーの代表作で、ボサとラテンが絡みあいながら、ここではちょっと80年代コンサバな匂いも濃厚かな。というかクロスオーバーイレブン的。


何でもシャーデースティーヴ・ウインウッドの大ファンでモロに影響されているらしく、そう考えると、やはりこれもスタイル・カウンシル同様、この時代ならではのUKロックの新しいスタイルの一つなのでしょう。ラストの「Maureen」のさりげない16ビートが最高に大好きだったりします。懐かしくも新鮮な一枚。