AOR

「なんとなくクリスタル」ブーム以後、日本盤で量産された洋楽AORアルバムには国内独自のオリジナルジャケが多かったりします。いや洋楽だけじゃなく松岡直也のような国内アーティストさえ永井博のイラストで出し直されていましたから、そういう気分というか…

日本盤CDはマリッツァ・ホーン単独名義になってますが、実際はドラマー兼アレンジャーでありコンポーサーでもあるラース・ベイボンとの共同名義。70年代スウェーデン産のジャズ/フュージョン系のボーカル物としてはトップ・クラスに位置するものと確信して…

歌ものアルバムなのに、どこかにブレイク・ビーツがあったりすると、編集盤に収録される率が高く、結構後々の再評価にもつながるものです。それが70年代に発表された自主制作盤で数が少なく、なおかつメロウで極上な音という評判であれば、さらに「幻の名…

名ギタリスト、ラリー・カールトンの歌のアルバム(全8曲中6曲)。歌は巧いというより美味いといいますか、アル・クーパーのような枯れた味わいがいいですね。といっても、この時、ラリーはまだバリバリの20代。髪の毛もあります。アルバムはジェームス・…

元カラパナ。というより脱退後の「マッキー・フェアリー・バンド」('78)が個人的には大好きなアルバムで、いわゆるコンテンポラリー・ハワイアンというジャンルを意識したのも、そのアルバムからでした。それまでカラパナといえばバーゲン・コーナーに置いて…

ヒドいジャケですがAORファンは要チェック。元クラッキンの黒人ボーカリスト、レスリー・スミスのソロ作で、いわゆる90年代初頭の日本制作のAOR企画盤のひとつ。この時代は、メーカーがこぞってAORリバイバルという感じでベテランの復帰作を日本…

1曲目を聴いて「ふ〜ん、アクを抜いたドナルド・フェイゲンみたいだなぁ」ぐらいに思ったのに、全部聴き終える頃には、すっかりいい気分になってしまいました。ジャジーで複雑なコード進行をシンプルなリズムでポップに聴かせたりとか、とにかくセンスがい…

ロビー・デュークの歌声は、とても甘くハンサムな印象があります。「きっとさわやかな若い好青年なのでしょう」と思いきや本人の顔写真を見ると、実はヒゲメガネのポッチャリしたオヤジ・・・。いや、この落差もまたAORの宿命。さらにCCM系となると、…

邦題「シティ・ウォーキン」は、おそらくジャケのイメージと、1曲目「Walkin' With Somebody」からくるものでしょう。しかし、シティなんて言葉、どこにも出てこない。まぁ、シティ・ポップということで、当時のAOR系の邦題は、勝手に「トロピカル」とか…

これ以上甘くても、これ以上苦くてもダメ。そんな、いつも絶妙な味わいで体を癒してくれる暖かいミルクコーヒーのような音楽がケニー・ランキンでした。マイケル・フランクスやスティーヴン・ビショップあたりに近い、AORタイプの優しい歌声ですが、独特…

何を今さらシャーデーかよ、と思われるかもしれませんが、この2ndアルバムは、地味ながら本当に名曲ぞろい。ハスキーな歌声はもちろんのこと、サックスやピアノなど本当にゾクゾクするほど美しい音色なのです。85年というと、ネコも杓子もデジタルな時代…

クリアーで抜けのよい、まったく時代に流されない鉄骨のAOR。それでいて、キチンと1990年という時代も感じさせるコンテンポラリーさもあるのだから不思議。エブリシング・バット・ザ・ガールに駄作なしながら、これは前作「アイドルワイルド」と並ん…

ある年代以上のファンには「スターズ・オン・45」というメドレー・レコードが、一時期大流行だったことをご存知だと思いますが、そのビートルズ版でポールのパートを歌っていたのが、このプレジデントのピム・コープマンという人。オランダの有名なプログ…

ボビー・コールドウェルは日本でも人気のAORミュージシャン。アルバムを発売順に聴いていくと、この人のボーカルや曲作りなどは基本的に変わらないのに、サウンドがどんどん悪しき80年代デジタル・エコーに侵食されていって、ちょっと悲しいものがあり…

テレンス・ボイランというと、スティーリー・ダンの2人とカレッジ時代にバンドを組んでいたということで、その周辺では人気のシンガー・ソングライター。ダンに先立つこと69年に「エイリアス・ブーナ」というソロアルバムもありますが、何とも中途半端で…

よくAORの名盤としてエアプレイの「ロマンティック」('80)が選ばれるものですが、ボクにはあのアルバムの良さがさっぱりわかりません。しかし、AORそのものがキライというわけでもないので、誤解されないためにも、ボクなりの「80年代AORの名盤」…

英国というのは、意外にもスティーリー・ダンに影響を受けたようなバンドが多いんですが、このブリス・バンドなんかもそう。といって、「エイジャ」や「ガウチョ」の頃のダンではなく、初期の「キャント・バイ・ア・スリル」あたりの、まだ多少イナたいバン…

リアルタイム派やAOR好きな人には有名なラリー・リーの「ロンリー・フリーウェイ」を紙ジャケで買ってみたりしました。1982年作品で、日本でも「なんとなくクリスタル系」といいますか、AORブームでもてはやされた一枚らしいですね。でも売れたの…

難しいことは何も言いたくないですね。もう、ただたた「いい曲」を書く人です。このスティーブン・ビショップの「ケアレス」('76)というアルバムは、別に傑作とか名盤だとか大げさな表現は似合わないような気がします。ボクにとっては空気のように心がどんな…

夜遅くまで仕事でぐったりして家に帰ってきた時、ふっと手を伸ばしたくなるようなアルバムがケニー・ランキンの「Kenny Rankin Album」('77)。ランキンの爪弾く美しいクラシック・ギターの音と極上のストリングスが織り成す究極のメロウネス。なんだか恥ずか…

一般的には笠井紀美子というとジャズ・シンガーというイメージなのかもしれませんが、結構ポップスやソウルっぽいアルバムも多いんですよね。あえて言うなら、コンテンポラリー・フュージョン。まぁ、なんか響きは安っぽいですが、海外でいうとナンシー・ウ…

「好きなアルバム200選(http://www.geocities.jp/nabeton99/album200.html)」をやって、自分の好きなアルバムに恩返しをしてやろうと思ったのに、いざ選んでみたら、選ばれなかったアルバムが不憫でしょうがないんです。選ぶという行為は、同時に捨てる…