ヒドいジャケですがAORファンは要チェック。元クラッキンの黒人ボーカリストレスリー・スミスのソロ作で、いわゆる90年代初頭の日本制作のAOR企画盤のひとつ。この時代は、メーカーがこぞってAORリバイバルという感じでベテランの復帰作を日本主導でアルバム制作していた時代でもあり、まぁバブルな感じはしますが。


内容がこれまたAORの名曲のカバーばかりで、そのあたりも企画盤っぽいのは確かですが、選曲は本人の意思が反映されたセンスの良いもので、タイトル曲のルパート・ホルムス以下、ボズ・スキャッグスクリス・レア、ウィルソン・ブラザーズ、ジノ・ヴァネリ、スカイラーク、ネッド・ドヒニーと実にツボな曲ばかり。


82年の名作「ハートエイク」がなかなかCD化されずファンがヤキモキしているところをジャストに狙ったこのアルバム。シンセ1台で作ったようなデジタル臭いアレンジが逆に良質なブラコン度をアップさせていて、なおかつ開局当時のJ−WAVEやクロスオーバー・イレブン的雰囲気も抜群。夜のドライブにピッタリなサウンド