カラパナ。というより脱退後の「マッキー・フェアリー・バンド」('78)が個人的には大好きなアルバムで、いわゆるコンテンポラリー・ハワイアンというジャンルを意識したのも、そのアルバムからでした。それまでカラパナといえばバーゲン・コーナーに置いてあるサーファー系ポップスで、ハワイうんぬんなどまるで意識したこともなく。


へヴィ・メタルなんかと同じで、AOR的な音楽というのは、それこそ世界中にあるわけです。その中からリスナーがそれぞれのAORを見つけ出していく過程で行き着いた先の楽園がハワイ産AOR。やってる本人は自然体なわけで、その俗に流されない、いい意味で流行無視な部分がAOR的には、なおさらOKという感じ。


甘い歌声の持ち主で、メロディがどの曲も素直で美しいのが特徴。それを小手先の技術ではなく、懸命な感じで歌い上げていく感じも、また胸を熱くさせるのです。これは日本制作による何枚目かのソロ作で、タイトルからしクロスオーバー・イレブンみたい。雰囲気抜群のジャケにピッタリの名盤。見つけたら買い!